SLAはチケット属性に基づいてチケットに期日を設定するアドオンです。
SLAの主な機能
サービスの品質について、顧客は明確な基準を知りたいものです。
どのレベルでサービスを提供するのか文書化して保証を提示する動きが、もはや事業者にとって欠かせない時代が迫っています。
アフターサービスに関しても品質は重要なため、SLA機能をECサイトにインストールしましょう。
サービスレベルアグリーメントとは
もともとは通信やクラウドサービス業界で、開発の際にサービスの定義や保障項目の取り決めを定めたものでした。
簡単に言えば、「このようなサービスを提供しますが、遵守できなかった場合はこうした補償をします。」という企業間(主に事業者⇒契約者)での約束です。
この概念をサポートチケットに割り当てるのが、アドオン「SLA」で、あらかじめ契約している期日時間までに対応できる機能が追加されます。
チケットに期日を設定
チケットを開封すると、右サイドーバーに「チケットの詳細」ボックスがあり、状況が確認できます。
このボックスに、SLAに基づいた期日が自動的に計算されて表示されることがポイントです。
期日の任意指定時間前(分単位で設定)に、アラートメールをチケット担当に送信して返信を促すことができます。
SLAポリシーをチケットの属性別に割り当て
チケットに直接、SLAポリシーを割り当てることもできますが、優先度やチャンネルなど属性別に割り当てることも可能です。
サンプルとして[チケット] > [優先順位]から割り当てる方法を示しています。
設定後にチケットを受信すると、優先順位に従って自動的に期日が計算されます。
このアドオンは、信頼と実績を築く上で欠かせないサービス品質の保証を文書化して提示する機能を、有効化するだけで構築します。
運用に関しても難しい部分はありません。
チケット返信担当者へのアラートメールが、対応の遅れ等によるクレーム発生の防止に役立ちます。
SLA の使い方
SLA設定の流れ
このアドオンを有効化しサービスレベルアグリーメントの使用を開始する前に、次のことを行う必要があります。
- 就業日と時間を設定
- SLAポリシー(SLA ID)を新規追加
- SLAポリシーをチケットに割り当て(優先度やチャンネル、分野別に割り当て)
- 休日時間を設定(オプション)
以下、順番に設定の手順を説明します。
就業日と時間を設定
SLAポリシーを設定するための最初のステップは、その週の業務時間を設定することです。
7つのセクション(曜日別)があり、各セクションを使用して、その日にチケットを受け入れることができるかどうか、および営業時間の開始時間と終了時間を指定します。
なお、チケットの受付終了時間については、例えば午後4時30分に指定した場合、午後4時30分以降に受け取ったチケットは、翌日に到着したものとして扱われます。
- [サービスレベルアグリーメント(SLA)] > [SLA設定] > [勤務日]タブをクリックします。
- この日は勤務日?・・勤務日なら「勤務日」を選択します。
- 終日勤務日・・勤務時間が終日つまり24時間であればチェックを入れてください。
- 開始時期・・始業時間を入力します。
- 終了時間・・終業時間を入力します。
- チケットの受付終了時間・・受付終了時間を入力します。
- 一週間分入力したら[Save Changes]をクリックして保存します。
SLAポリシーを新規追加
SLAポリシーの設定の手順を説明します。
- [サービスレベルアグリーメント(SLA)] > [SLAを新規追加]をクリックします。
- タイトル・・SLAポリシーの投稿タイトルを入力します。
- コンテンツ・・投稿するSLAポリシーの説明を入力します。
- 目標時間(左サイドバー)・・チケット返信延滞となるリミットタイムを入力します。
- [新しいアラートを追加]をクリックします。
- 時間・・チケットが延滞となるまでの残り時間を分単位で入力します。例:720
- 受信者・・アラートを送信するメールアドレスを入力します。(複数の場合はカンマ区切り)
- 件名・・メールの件名を入力します。{ticket_id}などの標準のメールテンプレートタグを使用できます。
- コンテンツ・・メールの本文を入力します。標準のメールテンプレートタグを使用することもできます。
- 誰が通知を受け取りますか・・通知相手をオプションとして選択できます。
- [公開]をクリックします。
SLAポリシーをチケットに割り当て
SLAポリシーをチケットに直接割り当てる手順を説明します。
例を挙げて割り当てます。
- [チケット] > [全てのチケット]の中から割り当てたチケットの[編集]をクリックして開きます。

- 右サイドバーの「チケットの詳細」メタボックスの「SLA ID」から割り当てたいSLAを選択します。

- [チケットの更新]をクリックして保存します。
ユーザーがチケットを送信する際も、SLAの割当が可能です。

その他に割り当てられる対象は、
- 問題追跡
- SLAカテゴリー
- 優先度
- カスタムステータス
- 部門
- チャネル
- 会社概要
- ユーザープロフィール
があります。
例としてチケットの優先順位をSLAポリシーを割り当てる手順を説明します。
- [チケット] > [優先順位]をクリックします。
- 新規作成の場合は「SLA ID」の項目で選択し[新しく追加する優先]をクリックします。

- 既存の優先順位にSLAポリシーを割り当てる場合は編集画面から選択し[更新]をクリックします。

SLAポリシーが割り当てられる順番
SLAポリシーは、優先度、部門、ステータス、チャネルなど複数に割り当てることができます。
複数のタクソノミーに割り当てられている場合、順位付けはどのようになっているのかを確認します。
- 問題追跡
- SLAカテゴリー
- 優先
- カスタムステータス
- チケットの種類(Awesome Support 5.9.0で提供)
- 部門
- チャネル
- ユーザープロフィール
- 会社概要
上記のように順位づけられています。
レポートを確認
SLAのレポートを確認する手順を説明します。
- [サービスレベルアグリーメント(SLA)] > [レポート]をクリックします。

- クローズされたチケットのレポートが表示されます。
Service Level Agreementsアドオンの有効化によって、SLAポリシーの制定や運用が格段に効率化されます。
チケットへのSLAポリシーの割り当ても簡単です。
期日計算やタクソノミーの順番も全て自動でお任せできる点が、このアドオンの大きなメリットです。